新規メンバーがちゃんと定着するオンボーディングのつくり方

オンラインコミュニティに参加した人の多くは、1週間以内に離れていきます。新しいメンバーを迎え入れ、参加するきっかけをつくり、最初の訪問を日々の習慣に変えていく方法を紹介します。

カフェの席でコーヒーとノートを横に置き、ノートパソコンを開く女性

コミュニティに参加してもらうことは、仕事の半分に過ぎません。本当に難しいのは、その人にまた戻ってきてもらうことです。多くのコミュニティがメンバーを失うのは、プロダクトが悪いからではなく、最初の体験が静かすぎたり、わかりにくかったり、何もすることがなかったりするからです。

初めてスペースを開いたときに静まり返っていたり、見知らぬ人たちの古いメッセージの壁が延々と続いていたりすると、新しいメンバーはまず戻ってきません。興味がなかったから離れるのではありません。誰も迎え入れてくれなかったから離れるのです。

これこそが、オンボーディングの本当の意味です。サインアップフォームやアカウント作成画面のことではなく、その後に続く最初の数分間、そして数日間のことです。この短い期間が、見た目以上に大きなことを決めてしまいます。そこで、ずっと通い続けるメンバーになるか、一度だけ試して二度と戻らない人で終わるかが分かれるのです。

最初の1週間が何よりも重要な理由

新しいメンバーは、最初の数回の訪問、多くの場合は最初の1回で、そのコミュニティに残るかどうかを決めます。初めてコミュニティを開いたときに空っぽのチャンネルや、見知らぬ人たちのメッセージが延々と続く画面を目にすると、その人はタブを閉じ、二度と開かないことがほとんどです。それは相手の興味が足りなかったからではありません。あなた側の迎え入れ方が足りなかったからです。

コミュニティにおける強い第一印象は、見た目の美しさとはほとんど関係がありません。整ったレイアウトが役立つのは確かですが、本質は次の3点に尽きます。実際に人がいると感じられるか、発言する理由がはっきりしているか、次に何をすればいいかが明確か、この3つです。ここさえ押さえておけば、オンボーディングの残りの部分はぐっと楽になります。

すべての新規メンバーに、はっきりとした出発点を用意する

新しいメンバーを何もない部屋に放り込んで、あとは自分で何とかしてもらおうとしてはいけません。代わりに、出発点を用意してあげましょう。

人の温かみが伝わるウェルカムメッセージ。 あなた自身から送るにせよ、自動メッセージを使うにせよ、内容は温かく具体的にしましょう。自分が何者か、このスペースが何のためにあるのか、そして新しいメンバーがここで実際に何をできるのかを書きます。ただ「ようこそ!」と書くだけでは何も伝わりませんが、グループの目的について2、3文添えるだけで、ただのサーバーの一つではなく、特別な場所にたどり着いたと感じてもらえます。

最初にやることを一つだけ、明確に示す。 「#welcomeで自己紹介をしてください」「どちらから来て、何がきっかけでここに来たのか教えてください」といったように、最初に何をすればいいかを具体的に伝えましょう。人が初めて発言するにはきっかけが必要で、「会話に参加してください」といった漠然とした呼びかけよりも、具体的な指示のほうがずっと効果的です。この一押しがなければ、たいていの新しいメンバーはしばらく静かに読むだけの状態が続き、やがて静かに来なくなってしまいます。

スペース全体を示す簡単な案内。 新しいメンバーは、どのチャンネルが何のためにあるのか、何がもっとも重要なのか、困ったときにどこで質問すればいいのかを知る必要があります。誰も読む時間のない長いガイドではなく、目につく場所に3、4文だけピン留めしておきましょう。目指すのは案内であって、マニュアルではありません。

深い参加を求める前に、まず気軽な参加をしやすくする

入ったばかりのメンバーに、初日から長くて考え抜かれた投稿を求めてはいけません。まずは小さなことから始めましょう。

気軽に答えられる形式。 簡単な投票、一言で答えられる質問、二択のクイック質問はどれも、長い文章を書くプレッシャーなしに何かを発言できる手段になります。こうした形式がうまくいくのは、投稿をためらわせる2つの原因、「何を書けばいいかわからない」ことと「書く価値があるかわからない」ことを取り除いてくれるからです。

小さなリアクション。 絵文字やいいね、他の人の投稿への一言の返信も、それ単体では貢献と呼べないとしても、立派な参加の一つです。最初の一歩のハードルを下げてくれ、慣れてくればそこから本当の返信につながることもよくあります。

軽い定例の問いかけ。 「今日は何に取り組んでいますか」「今週学んだことは何ですか」といった定番の質問は、自分で話題を考え出す必要なく、答えやすいきっかけを与えてくれます。決まったタイミングで扉が開いているとわかっているので、いつ参加すればいいのかも自然とはっきりします。

大切なのは、新しいメンバーを「見ているだけ」から「動く」状態へと移すことです。何であれ最初に発言するというその小さな一歩こそが、もっとも重要な瞬間です。その前は、その人はただの訪問者にすぎません。その後は、グループの一員だと感じ始めます。

早い段階で、戻ってくる習慣をつくる

最初から習慣で戻ってくる人はいません。自然に戻ってくるようになるまでには、一度きりではなく、何度も戻ってくる理由を用意してあげる必要があります。

開く価値のある通知。 自分の投稿に返信が来たという通知は、すぐにアプリを開く理由になります。一方、フォローすらしていないチャンネルの50件目のメッセージについての通知は、通知そのものを完全にオフにする理由になってしまいます。通知は、活動全般ではなく、その人が実際に気にかけていることと結びつけましょう。

予測できるリズム。 週替わりのテーマ、定期的なディスカッションスレッド、毎週月曜日恒例のイベントなどは、数週間かけて一度きりの訪問を習慣に変えていきます。人々が様子を見に来るようになるのは、驚きを期待しているからではなく、そこで何かが起きているとあらかじめ知っているからです。

名指しでの声かけ。ただし使いすぎない。 「アナさん、これ前に扱ったことがありますよね、どう思いますか?」のように、名前を出して会話に引き込みましょう。うまく使えば、プレッシャーではなく個人的な招待のように受け取られ、放っておけば黙ったままだった人が話し始めることもよくあります。使いすぎると、招待ではなく義務のように感じられてしまいます。

最初の投稿への早い返信。 何かを投稿したのに何日も反応がないことほど、新しいメンバーのやる気を削ぐものはほとんどありません。たとえ短くても、早い返信は、そのスペースが実際に活発で、自分の声がちゃんと届いたのだということを伝えてくれます。

成長だけでなく、オンボーディングを測定する

新規メンバー数は、その人たちが定着しなければ見せかけの数字にすぎません。オンボーディングがうまくいっているかどうかを本当に示す指標を追いましょう。

  • 参加してから7日以内に戻ってくる人がどれくらいいるか。
  • 最初の1週間で、何かしら投稿やリアクションをする人がどれくらいいるか。
  • 新しいメンバーが最初の本当のやり取りをするまでにかかる時間。この間隔が短いほど、ほぼ間違いなくスムーズなスタートを切れています。

多くの人が参加しているのにほとんど戻ってこないなら、原因がマーケティングやポジショニングにあることはめったにありません。問題は、参加を決めた直後の数分間に、何が起きるか、あるいは何も起きないか、そこにあるのです。

オンボーディングは、一度終わらせて済ませるタスクではなく、毎回実行し続けるプロセスとして扱いましょう。10人目の新規メンバーも、1人目と同じだけの心遣いに値しますし、1万人目であっても、それはまったく変わりません。

メンバーが定着するコミュニティには、たいてい一つの地味な共通点があります。それは、誰かが最初の5分間にも、その後のすべてと同じだけの思考を注いでいるということです。その心遣いは、具体的で小さなことに表れます。ちゃんと届く返信、気軽に発言できるきっかけ、すでに本物の人たちで満たされていると感じられる空間。特別な予算や専任のチームは必要ありません。必要なのは、新しいメンバーの最初の訪問を、50回目の訪問と同じくらい大切に扱うという姿勢だけです。